コラム

口の中のできもの、これって何?白い・痛い症状のセルフチェック

コラム

口の中に突然できものが現れると、食事や会話のたびに違和感があり、重大な病気ではないかと不安になるものです。鏡の前で自分の口内をよく観察し、特徴的な症状と照らし合わせることで、自宅でも現状を知るためのセルフチェックが可能になり、適切な対処へとつなげられます。

口の中にできものが…これって大丈夫?まずは症状でセルフチェック

口の中の粘膜は非常にデリケートで、体調の変化や物理的な刺激によってさまざまなできものができやすい場所です。

口の中に異常を感じたら、まずは鏡を用いてできものの状態を観察することが大切です。自分でできるセルフチェックのポイントとしては、色が白いか赤いか、触ったときに痛みやしこりがあるか、そして発生してからの期間などが挙げられます。これらの特徴を整理することで、一時的な口内炎なのか、あるいは医療機関での受診が必要な病気の可能性があるかを、ある程度見極める手がかりが得られます。

【症状別】口の中のできものセルフチェックリスト

口の中のできものは、見た目や痛みの程度によって多様な状態に分類されます。ご自身の症状に近いケースがないか確認してみましょう。

ケース1:白くて痛いできものがある

口の粘膜に円形または楕円形の白いできものがあり、その周りが赤く腫れ、食べ物や飲み物がしみるような強い痛みを伴う場合は、最も一般的な口内炎が疑われます。

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、中央が白っぽく周囲が赤く縁取られた丸いできものです。舌、頬の内側、唇の裏などの擦れやすい部位によく発生します。主な原因は、ストレスや疲労、ビタミンB不足、睡眠不足などです。多くは1〜2週間ほどで自然に治ります。

ケース2:白くて痛みは少ない、または全くない

口の中が白っぽく変色しているものの、強い痛みがない、または全く無症状の場合、特殊な感染症や粘膜の異常が疑われます。

口腔カンジダ症

口腔カンジダ症は、口の中の真菌(カンジダ菌)が口内の免疫力低下や口腔乾燥によって増殖することで起こります。白い苔のような膜が粘膜に付着し、こすると剥がれるのが特徴で、剥がれた跡が赤くなってヒリヒリ痛むこともあります。

白板症(前がん病変の可能性)

白板症は、舌やはぐき、頬の内側などにみられる、こすっても剥がれない白い斑点やザラザラした白色病変です。この病変は、将来的にがんへ進行する可能性がある「前がん病変」の代表的なものであり、痛みがなくても放置してはなりません。

ケース3:赤く腫れている、または赤と白が混ざっている

粘膜が広範囲に赤く腫れ、または赤い部分と白い部分が混ざり合ってザラザラした異常な表面を示すケースです。

カタル性口内炎

カタル性口内炎は、矯正器具や入れ歯、または歯の尖った部分が当たったり、頬を噛んでしまったりする傷が原因で起こります。口の中の粘膜が赤く腫れ、はっきりとした境界がないままじわじわと痛むのが特徴です。

口腔がんの初期症状

口腔がんは、初期には口内炎と思い込んで放置されることが多く、はっきりとした痛みや出血を伴わないことがあります。粘膜が赤くなったり、赤と白が混ざって形が変わってきたりする場合、放置すると危険です。

ケース4:透明な水ぶくれ状になっている

ぷにぷにとした柔らかい感触で、透明または半透明の水ぶくれのような膨らみが出来た状態です。

粘液嚢胞

粘液嚢胞は、口の中の小唾液腺の出口が詰まることで、唾液がたまってできるできものです。特に下唇の内側などにはできやすく、痛みは少ないものの、食事中に噛んで破れたり、再び膨らんだりを繰り返すのが特徴です。

ヘルペス性口内炎

ヘルペス性口内炎は、ヘルペスウイルスへの感染が原因です。口の粘膜や唇のまわりに小さな水ぶくれが多数でき、それらが破れると非常に強い痛みを生じます。発熱を伴うこともあります。

ケース5:硬いしこりやこぶがある

ぷにぷにした水ぶくれとは異なり、触ったときに固さがあり、しこりやこぶのような突起がはっきりしている状態です。

線維腫

線維腫は、頬の内側や舌、はぐきなどにできる、白っぽいか肌色の硬いこぶです。頬を噛む癖や、合わない被せ物がずっと当たるなど、慢性的な刺激が原因でできる良性の病変です。

歯根嚢胞

歯根嚢胞は、むし歯が進行して歯の根の先に細菌が感染し、袋状の病変ができたものです。はぐきの中で進行するため、はぐきがぷっくりと硬く腫れ、痛みを伴うことがあります。

口の中のできものから考えられる主な病気とその原因

口の中のできものは、一時的な炎症から、慢性の刺激がつくった良性腫瘍、さらには悪性腫瘍まで多様な原因で発生します。

多くの場合は心配ない「口内炎」

多くの口のできものは、日常生活のストレスや疲労、口の中を噛んだ傷が原因でできる口内炎です。これらは1〜2週間で自然に治ることが多く、薬局の軟膏や貼り薬を使うことで自然に回復を促せます。

良性の腫瘍・嚢胞

粘液嚢胞や線維腫のように、口の中には良性のこぶや水ぶくれができることがあります。これらは良性ですので転移する心配はありませんが、繰り返し噛んで潰れてしまうため、通常は手術で摘出することが多いです。

放置は危険!「口腔がん」や「前がん病変」の可能性

口の中のできものの中には、白板症のような「前がん病変」や、「口腔がん」の初期症状が隠れていることがあります。口腔がんは舌がんが最も多く(約55%)、喫煙や飲酒が関係しています。痛みがなくても放置するのは非常に危険です。

病院に行くべき?受診の目安となる危険なサイン

口のできものについて、これがただの口内炎なのか、それとも病院に行くべき危険なものかを見極めるサインを紹介します。

2週間以上治らない・大きくなる

一般的な口内炎は1〜2週間程度で自然に治っていきます。2週間を過ぎても治らない、あるいはそのできものがだんだん大きくなっている場合は、前がん病変や口腔がんなどの可能性があります。

硬いしこりがある・出血を伴う

できものの周囲やそのものが硬くしこりのようになっている場合や、触ったら簡単に出血する場合は、悪性腫瘍の可能性を疑うべきです。放置せずにすぐに受診する必要があります。

痛みやしびれが強い

口の中のできものが神経を刺激し、痛みが非常に強い場合や、逆に感覚が麻痺したようなしびれた状態がある場合も、深い部分まで病変が進んでいる可能性があります。

発熱や倦怠感など全身症状がある

できもののほかに、体がだるい、発熱している、あるいはあごの下や首筋のリンパ節が腫れているなどの全身症状がある場合は、重症の感染症や、リンパ節転移などを起こしている可能性も考えられます。

口の中のできもの、何科を受診すればいい?

口のできものが治りにくいとき、どこの病院に行けばいいのか迷ってしまうことがあります。適切な受診先を説明します。

まずは「歯科」または「口腔外科」へ相談

口の中のできものは、歯並びや被せ物の尖りが原因であることが多いため、まずは歯と口の専門家である「歯科」または「口腔外科」に行くのがおすすめです。物理的な刺激が作った口内炎やしこりは、歯科医師による調整で改善できる可能性があります。

喉の奥や舌の付け根は「耳鼻咽喉科」も選択肢に

できものが舌のずっと奥や喉の入り口など、歯科では見えにくい場所にある場合は、「耳鼻咽喉科」の受診が良いでしょう。喉の粘膜や唾液腺の専門医であるため、ファイバースコープなどを使った精密な検査が可能です。

できものの治療法にはどんなものがある?

できものの種類によって治療法はさまざまです。アフタ性口内炎には軟膏やレーザー治療が行われますが、粘液嚢胞や線維腫のような良性のこぶは手術での摘出が一般的です。歯根嚢胞には歯根端切除術のような手術が行われることもあります。

今すぐできる!できものの悪化を防ぐセルフケアと予防法

口の中のできものができたとき、それを悪化させないための日常のケアや、予防のポイントをまとめました。

口の中を清潔に保つ口腔ケア

口の中を清潔に保つことは、細菌の繁殖を防ぎ、口内炎の悪化を防ぐ鍵です。唾液は口の中の汚れを洗い流し、お口の健康を守る大事な働きがあります。しっかり噛んで食べることや、舌を動かすことで唾液を出しやすくしましょう。

刺激を避けた食事と栄養バランス

できものがあるときは、熱すぎるものや塩辛いものなどの刺激物は避けましょう。また、口の粘膜を回復させるためにビタミンB群が豊富な食品(鮭や納豆、乳製品など)をバランスよく摂ることが推奨されます。

ストレスを溜めず、十分な睡眠をとる

免疫力の低下は口内炎の大きな原因になります。十分な睡眠をとり、疲労やストレスを溜めないようにすることが、口の中のできものを防ぐ鍵となります。

まとめ:口の中のできものに気づいたら、早めに専門医へ相談を

口のできものの多くは心配のない口内炎ですが、中には良性腫瘍や前がん病変、口腔がんのような重大な病気が隠れていることもあります。2週間以上治らない、硬いしこりがある、出血があるなどは病院への受診の目安です。まずは歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科などの専門医に相談することで、早めの安心と治療を得ることができます。

執筆者
医療法人清菜会 志紀ファミリー歯科 院長 津田凌佑

医療法人清菜会 志紀ファミリー歯科

院長 津田 凌佑Tsuda Ryosuke

略歴

  • 2014.4朝日大学歯学部入学
  • 2018.8UAB School of Dentistry研修
  • 2020.3朝日大学歯学部卒業
  • 2020.4大阪歯科大学附属病院 口腔外科第2科 研修
  • 2021.4大塚歯科第3ビル診療所勤務
  • 2023.4医療法人薫歯会 あびこ大人こども歯科クリニック勤務
  • 2025.1医療法人清菜会 志紀ファミリー歯科 院長就任

所属学会

  • 厚生労働省臨床研修指導医
  • 日本顎咬合学会認定医(咬み合わせ認定医)
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • JACID 会員
  • インビザライン認定ドクター

〒581-0031 大阪府八尾市志紀町3-10

電話072-949-9414

最寄駅
JR関西本線『志紀駅』より徒歩1分
車の経路
JR関西本線『柏原駅(大阪府) 』出口 車より10分
JR関西本線『八尾駅』出口 車より12分
駐車台数
6台まで
診療時間
9:30〜13:00 ×
14:00〜19:00 × ×

▲:9時30分~13時30分
休診日:土曜午後、日曜、祝日

  • 医療法人薫歯会
  • 病院検索ホスピタ
  • 志紀ファミリー歯科 バナー